桜は一日の平均気温が摂氏10度を超えるようになると開花の時期を迎えるという。灰色だった木の幹はどこかしっとりと潤いを帯びて艶やかで枝の線まで張り切って見える。咲くことに精神を集中しているかのよう、、、たった一本の木なのに磯部のオオシマさくらはこんなにも地元のみならず近隣の人々にも愛されるのだろうか?満開を迎えたというこの桜の傘のもとに立ちたいと気持ちがはやる。私用の途中寄り道をした。花びらが風にあおられ吹雪の様に舞っていた。若いといわれる年齢は遥か彼方に過ぎ去り人生の終章にいる私は近年花を恋うる気持ちが一層強まっている。

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